●「緊張」は自己暗示が左右する
プレッシャーは「過緊張」と言い換えることができます。
緊張が大きすぎることが、プレッシャーになってしまっているのです。
これには、以前のコラムでご紹介した「努力逆転の法則」が関係しています。
「努力逆転の法則」のエミール・クーエ(薬剤師)は、
プラシーボ効果を探求した人でもあります。
プラシーボ効果とは、
患者に薬だと言って小麦粉を渡すと、
薬の効果が出て治ってしまうというものです。
これは、「薬を飲んだから治るに違いない」と、
患者が自己暗示にかかることで起こる現象です。
まさしく、想像力が思考に2乗して、力を発揮している状態です。
同じように、緊張も、意識すると想像力で2乗されてしまうので、
プレッシャー(過緊張)になってしまいます。

●成功したい気持ちが大きいほどプレッシャーが強くなる
人は「成功したい」という思いがあるとき、
同時に「失敗するとまずい」という想像をしてしまいがちです。
「成功する=失敗していない」ということですから、
成功したいという気持ちと、
失敗が怖いという気持ちは同時に存在しているのです。
物事をうまくやろうと思ったときに、
「失敗したらどうしよう」
「うまくいかなかったことが浮かんで怖い」
といった気持ちになることはありませんか?
これはポジティブな「思考」に対して、
ネガティブな「想像」が2乗されている状態です。
アクセルを踏む力よりも、
ブレーキを踏む力のほうが強いのと同じです。
「成功したい」という思考が強すぎると、
同時に、「失敗すると怖い」という気持ちが大きくなりすぎてしまいます。
その分、プレッシャーも大きくなってしまうのです。
たとえば、大学受験やオリンピックはわかりやすい例です。
大学受験を失敗したら1年間はチャンスがありませんし、
オリンピックの金メダルは、
タイミングを逃すと一生手にすることができない可能性もあります。
そのため、「失敗してはいけない」という気持ちが強くなりやすく、
プレッシャーや恐怖につながってしまうのです。
●うまくいくには結果にこだわらない
結果を気にしている人、
失敗してはいけないと思っている人ほど、
強いプレッシャーを感じてしまいます。
そして、「成功したい」よりも、
「失敗してはいけない」という気持ちが強い人ほど、
より強くプレッシャーを感じるでしょう。
失敗する恐怖を抱えている人は、
身体が緊張して縮こまり、
パフォーマンスも著しく低下して、
結果的に失敗してしまうことが多くなってしまいます。
一方、うまくいく人は、結果を気にしていないので、
プレッシャーを感じていません。
そのため、身体にもムダな力が入らず、
結果的に高いパフォーマンスを発揮できて、うまくいくのです。
