●「分離」と「統合」をくり返して、人は環境に適応していく

大きな葛藤を持っている人は、

統合によって急激に成長する可能性が高いでしょう。

葛藤が大きい分だけ、解決するときにも

ダイナミックな変化が起こるからです。

もともと能力が高い人であれば、

大規模な分離と統合を行えるので、

さらに大きく成長していくことができます。

ですから、成長したい意欲が強い人は、

大きな分離と統合を繰り返すといいでしょう。


これは、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が好例です。

メジャーリーグに挑戦し、二刀流、

ホームラン王争いをしたことで、大きく成長していますね。

ちなみに、いま野球界では、二刀流の人が増えているそうです。

大谷選手が新たな二刀流文化をつくったことで、

二刀流へのチャレンジを希望する人が激増し、

指導者もそれを後押ししているのでしょう。


いままでは絶対に反対されてきたことですが、

二刀流が可能なことがわかり、その楽しさが周囲にも伝わり、

新たな道を開きながら、本人も大きく成長し、周囲に希望を与えている。

これはとても素晴らしいことです。


この分離と統合、変化と安心は、

もともと人間のDNAに組み込まれていたものです。

なぜわざわざ分離と統合を繰り返すのかといえば、

環境に適応するためです。

生物は環境に適応したものだけが

生き延びることができるといわれていますが、

分離と統合をかけなければ環境に適応できなくなり、

いずれ滅びてしまいます。


ずっと安心・安全な環境のなかにいては、

やがて環境に適応できなくなって滅びてしまうため、

危険を冒してでも変化しようとしているのです。

ですから、これは命の原則ともいえるでしょう。



●矛盾した世界を生き抜く力を身につける

『キングダム』という漫画が大人気ですね。

紀元前に秦が中国を統一するお話です。

わたしも、とても楽しみながら読んでいます。

主人公が何のために中国を統一しようとしているかというと、

春秋戦国時代という数百年にわたる戦乱の時代に、

平和な国をつくろうと思ったからです。

でも、中国を統一するということは、

ほかの国々を滅ぼさなければいけません。

争いのない世界をつくって平和を得るために、

結果としていままでにはありえないほど

人を殺すことになる、というお話です。

人を殺すことと平和な国をつくることは、非常に矛盾していますが、

それを繰り返してきたのが人間の歴史であり、

まさに分離と統合の歴史ともいえます。

平和になりたいから戦争をする、というのはおかしな話に見えますが、

人間世界は、このような矛盾した状態でできています。

人間として生まれたわたしたちは、

この矛盾した世界を生ききるしかありません。

プレッシャーはさまざまなことについてきますが、

そのプレッシャーから逃げずに立ち向かうことで、

人は、より成長することができます。


もちろん、ときには負けて大変な目に遭うこともありますが、

それを承知のうえで、あえてプレッシャーに立ち向かって生きていく。

そうすれば、間違いなく人間として成長できます。


プレッシャーに打ち勝ってチャレンジしていくことは、

称賛されるべきことなのではないでしょうか。

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