●「数字」がプレッシャーになりやすい
ここまでお話ししてきた通り、
プレッシャーの根底にはさまざまな「恐怖」が潜んでいます。
たとえば、営業で成績を上げなければいけないとき、
結果を出すことがプレッシャーになってしまう人もいますよね。
よく、目標を数字にするように言われているのは、
できたのか・できなかったのかがはっきりわかるからです。
数字は、白黒がはっきり出るので、
プレッシャーになりやすいといえます。
白黒はっきりとする分、
達成感があっていいと思う人がいる一方、
達成できなかったときに言い逃れできないため、
数字をプレッシャーに感じる人も大勢います。
このように、数字にはメリットの要素も、
デメリットの要素もあるのです。

●「自己肯定感」がプレッシャーの根底にある恐怖をなくすカギになる
以前のコラムでも触れましたが、
プレッシャーの根底にある恐怖のなかで
もっとも強いものは「他人からの批判」です。
アドラー心理学に、
「人間のすべての問題は、対人関係による悩みである」
という有名な言葉がありますが、
とくに日本人は、他人からの批判に弱い傾向があります。
では、他人からの批判が気にならなくなるには、
どうすればいいのでしょうか?
それは、自己肯定感を高めることです。
ほかの誰からどう思われても気にならないくらいの
自己肯定感を手に入れられれば、怖いものはありません。
圧倒的な自己肯定感を得るために一番必要なのは、
自分が存在する歓びを感じることです。
存在する歓びを感じられるようになれば、
他人からの批判が気にならなくなります。
なぜ存在する歓びなのかというと、
「存在すること」は、生きているかぎり、
何があっても不変のものだからです。
どんなことがあっても、どんな状況に陥っても、
存在していることは変わることがありません。
このように、「変わらない」部分に目を向けることで、
自己肯定感を上げることができます。
一方で、他人の評価は不変ではなく、
変動するものなので、その分だけ揺らぎます。
揺らぐものでは、
自己肯定感を上げるための手がかりとはなりにくいでしょう。
