●本能を刺激して快楽を引き出す
人間は、本能を使っているときが一番快楽を感じます。
例をあげましょう。
F1レーサーといった、危険な場所に身を置く人は、
絶えず本能を刺激されています。
それが快楽にもなっており、やらずにはいられないのです。
「失敗したら死ぬ」という、
本来なら過度なプレッシャーを感じる危険なところに、
あえて身を置いているのは、
これ以上ないほどに本能を刺激されるからです。
とくにF1レーサーの場合、
生と死が隣り合わせだからこそ本能の生存欲求が冴え、
普段使っていない能力が使えるようになるのでしょう。
鈴鹿サーキットは、狭い道を通っていきますが、
生存欲求が冴えわたることで、
時速300㎞の運転でもレースができるのです。

●3つの脳の特徴を知ってプレッシャーを軽減する
人間の持つ本能について、脳の観点からも解説していきましょう。
脳には、大脳新皮質、大脳辺縁系、脳幹と3つがあります。
・大脳新皮質は思考脳
・大脳辺縁系は感情脳
・脳幹は本能
をそれぞれつかさどっているのです。
思考脳は、感情脳に対してプレッシャーをかけています。
プレッシャーを解決するには、本能を呼び覚まして、
ゾーン(集中して、夢中になっている状態)に入ることです。
ゾーンに入ると、プレッシャーは自然と消えてしまいます。
思考脳で、「うまくいきたい」「失敗したら怖い」「失敗したらいけない」
と思考がふくらんでいき、
感情脳がそれを聞くと、恐怖心が大きくなります。
そうすると、身体は硬直して、フリーズしてしまうのです。
その恐怖心に対して、脳幹の本能は生存欲求を呼び覚まし
「生きたい!」と渇望します。
この特徴を利用することで、パフォーマンスを上げることができます。
●本能を使ってプレッシャーに打ち勝つ
目の前のピンチに、思考ではなく、闘争本能のような、
「立ち向かって何とかしてやる」
という気持ちで集中すると、ゾーンに入りやすくなります。
これは、敵が大きいほど、よくみられる傾向です。
目の前に敵がいたら、戦うしかありません。
自分の能力をすべて使いきるしかありません。
思考で考えている暇もないので、
本能が呼び覚まされ、身体が勝手に動きます。
このように、本能を使って
プレッシャーに打ち勝つことで、人は成長します。
逆に、本能を呼び覚ます機会が少ないと、
人は大きくは成長しません。
経営者が成長する条件としてよく挙げられているのが、
大病をするか、破産するか、刑務所に入るかです。
極端ではありますが、
生命を脅かされるような危機には、
極度のプレッシャーがかかります。
そして、本能を使って生ききるという状況に見舞われたときに、
危機を乗り越えた経営者は本能の使い方を体得していきます。
だからこそ、伸びていくのでしょう。
これには、ホリエモンさんなどが当てはまるように感じています。
本能が現実をつくります。
脳のしくみを知って、本能を呼び覚まし、
プレッシャーをうまく扱えるようになりましょう。



