■ダブルバインド(葛藤)は思考から生まれる

思考から生まれたものは、思考を変えることで問題解決することができます。

相談で多いのは「ダブルバインド」という葛藤状態です。

ダブルバインドとは、日本語で言うと「二重拘束」という意味で、心理学者のグレゴリー・ベイトソンが提唱しました。

たとえば、いたずらをした子どもが、親に「怒らないから、どうしてこんなことをしたのか言いなさい」と言われたので、正直に話したとします。

でも、話した結果、叱られてしまった…ということはよくある光景でしょう。

このとき親のメッセージには「指示に従っても、従わなくても怒られる」という矛盾があります。

そのため子どもは混乱し、どう行動したらいいのかわからなくなってしまうのです。

ダブルバインドは、「AもBも選べない」「でも葛藤状態からも抜け出せない」という状態のため、葛藤状態が無限にループし続けてしまいます。
そのため、非常に強いストレスになるのです。


ダブルバインドは、統合失調症の原因のひとつになるとも言われています。

ダブルバインドは思考が引き起こしている葛藤状態なので、「苦しみ」と同じように消すことができます。
ここで、ダブルバインドを消す方法をご紹介しましょう。

例)「不安を消したい」「でも消せない」という場合
不安はなくならないものですから、この悩みは永遠に続いてしまいます。
ここから抜け出すためには、不安になっている自分を俯瞰して見られるように、視点をずらすことが必要になります。


■不安な自分を客観的に見てみよう

「不安を消したい」「不安を消せない」という当事者としての視点から一歩離れて、自分を客観的に見てみましょう。
それには「何がほしくて不安を消そうとしているのか?」という、目的や理由を見るのです。

たとえば、この例の場合は「安心したい」という共通点を見つけることができますね。


「なぜ?」という別の視点から見ることができるようになると、いままで「不安を消したい」「不安を消せない」の二極で葛藤していた状態から抜け出すことができます。
そこで「わたしは『不安』にとらわれている」「『不安』しか見えていない状態だったんだ」と気づけると、自然とダブルバインドが消えていくのです。


このように、ダブルバインドを消す方法は、「思考の次元を上げる」ことです。

アインシュタインも「問題が発生した次元と同じ次元では、問題は解決できない」と言っていました。
悩みのループに陥ったら、葛藤している思考を、俯瞰するように意識してみましょう。

次回、もう少し詳しくダブルバインドとの関わり方をお伝えしていきます。

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