●それぞれの役割を理解する

統合を、色でとらえてみましょう。

黒と白の服を着ると、黒も白もそれぞれに際立ちます。

黒と白が両方あることで、緊張感が生まれるのです。


黒と白のコントラストは、芸術的にも美しいもの。

書道も、白い半紙に黒い墨で書く、そのコントラストが芸術的です。

もしこれを、全部グレー一色にしてしまったら、

美しさが軽減してしまうでしょう。


このように、黒はより黒く、白はより白く、

黒と白がそれぞれの役割を果たすことが大切です。


黒と白の絶妙なバランスは、

芸術性を高め、感動を生むことにもなります。


同じように、ネガティブなものもポジティブなものも、

それぞれの役割を果たせるように、

各々を理解することが統合につながります。




●事実を認識して統合する

心の状態を考えたとき、黒と白を混ぜてグレーにするような、

ポジティブもネガティブもぐちゃぐちゃに混ぜた状態はよくありません。


わたしはこれを、自分をごまかしている状態だととらえています。


たとえば、いまは子どものかけっこでも

順位をつけないという風潮がありますね。

でも、6人でかけっこをして、

「6人全員一緒だよ。みんなにメダルをあげます」

という対応は、

勝ち負けをつけて批判や傷つくのを恐れているだけで、

単なるごまかしのようにも感じます。


1位から6位とはっきりと順位をつけて、

6位は落ち込んで、1位は歓ぶ。

それが、本来、一緒に競争することの歓びなのではないでしょうか。


かけっこをして、1位、2位、3位と順位がつくこと、

誰かは1位になり、誰かは6位になったということは、

ただの「事実」です。

その「事実」を気にしなくてもいいわけですし、

反対に落ち込む要素になったとしてもいいのです。


ただ、6位に入ったという「事実」からは、

目を背けないようにしましょう。


運動神経が悪かったとしたら、代わりに

「勉強をがんばろう」

「人間関係をがんばろう」

と考え、そこで力を発揮すればいいのです。

そのためにも、まずは、

自分は走ることが遅いという「事実」を

認識することが大切なのです。


事実を認識することから目を背け、

自分は走るのが速いと思い込んでいると、

危険な状況で走ったとき、

逃げられないこともあるかもしれません。


自分の力量をしっかり知っておかなければ、

正しい判断ができなくなってしまうのです。

かけっこが遅い事実を、

「みんな一緒だよ」と言ってごまかすよりも、

遅いという特徴を事実として受けとめる。

それが結果的に、自分を活かすことにつながっていきます。


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