■苦しみの正体は「葛藤」
あなたは、不安がありますか?
もし、不安があるとしたら、それは苦しい状態ですか?
多くの人が不安について、勘違いをしています。
不安に悩む人はたくさんいますが、じつは「不安=苦しみ」ではありません。
不安は、未来予測や危険を知らせる生理反応です。
では、苦しみの正体はいったい何なのでしょうか?
それは「葛藤」です。
「苦しみ=葛藤」は、ストレスクリア®️を通して発見したものなので、はじめて耳にしたという人も多いかもしれません。
葛藤とは、選択を決めかねて悩み続けている状態です。
2つの欲求(A・B)が同程度の強さで存在したときに起こります。
これは「思考」がつくっているので、「不安」のような整理反応ではありません。
そのため、苦しみ(葛藤)は消すことが可能です。
・不安…「感情」、必要な整理反応。消すことはできない
・苦しみ…「葛藤」、思考がつくり出したもの。消すことができる
心理学者クルト・レヴィンは、「葛藤」を3つのパターンに分類しています。
①「接近=接近」の葛藤
…どちらの選択も望ましい、近づきたいものの場合。
例)レジャーに行くとき、海に行くか、山に行くか悩む…といった状況。
②「回避=回避」の葛藤
…どちらの選択も嫌で、避けたいものの場合。
例)テスト勉強をしたくないけど、赤点を取りたくない、という状況。
③「接近=回避」の葛藤
…ひとつの選択に対して、近づきたい気持ちと避けたい気持ちの両方がある場合。
例)ダイエット。
・食べる:食べられる・お腹がいっぱいになる(快)←→太ってしまう(不快)
・食べない:やせる・ダイエットしている満足(快)←→お腹が減る(不快)
どちらの選択にしても、快と不快(接近と回避)がある…という状況。

■苦しくない不安はあってもいい
「不安」と「苦しみ」の違いをおわかりいただけたでしょうか。
違いを知ったところで、次に、4つのステップで苦しみを消していきましょう。
《「不安」から「苦しみ」を消すための4ステップ》
①不安と苦しみを分ける
②苦しみ(=葛藤・思考)を消す
③不安だけが残る
④不安だけれど苦しくない状態になっている
これが不安が苦しくなくなるステップです。
不安があっても、苦しくなければ、不安を問題だと感じなくなるはずです。
それがわかれば、心強いものだととらえられるかもしれません。
こうして「不安」を危険回避の材料として、うまく扱えるようにしていきましょう。
